「1502号部屋と1503号部屋になります」
「わざわざありがとうございます」
「いえ、楽しんで言ってくださいね。分からないことがありましたらなんでも言ってくださいね。
村田先生には伝えときます、無事にたどり着来ましたと」
「村田先生と友達なんですか?」
「私の兄が友達で私も知り合いなんですよ。
でも愛川さんの事は伺ってますよ」
「え?」
「すごくいい子だって。自慢の生徒だって言ってましたよ。
ウソって顔してますけどほんとですよ」
そう言いながらふふっと笑うと、あそうだ!と思い出したかのように話をつづけた。
「BBQの用意もしてますので、いってくださいね」
「そんなことまで…ありがとうございます」
「いいえ。それでは失礼します」
一礼して女の人は立ち去った。

