「あら、荷物多いね。これサンドイッチ。お友達と食べな」

「ありがとう」

「いーえ。いつでもおばあちゃん家にきなね。楽しい夏休みを」

「うん。じゃ行くね」

サンダルを履いて外に出ると、家の前に見覚えのある車が泊まってて。

「麻衣ちゃん!!」

「おはよ、優心ちゃん!乗って乗って」

車の中に入ると坂井と眠たそうな長瀬くんがいた。

「坂井、長瀬くんおはよ」

「おはよ。」

「優心ちゃんおはよ…寝むっ」

「おい!寝るなよ!」

「じゃ、出発しまーす!」

「GOーー!」

「優心ちゃん、元気~」

「楽しみ過ぎて…ってどうして麻衣ちゃんがここに?」

「頼まれたの、春樹くんに」

坂井に?

「駅まで乗っけて行ってって。駅からバスが出てるんだって。先生が頼んでくれたって言ってた」


「バス?」

「そう、貸し切りだってよ。もうすぐ駅に着くよ」

隣にいた坂井の肩を叩いて起こしてみても起きない。