昨日苦労して決めたワンピースを着たあたしは全身鏡の前でチェックする。

「よし!オッケー。次は髪だ」

あたしは鏡とコテとピンとクシスプレーをテーブルに用意した。

そして最初コテを使い、くるくるに巻くとその髪を1つにまとめお団子を作った。

見事きれいにできたお団子を見てあたしは目をキラキラと輝かせた。

久しぶりにお団子を作ったのにすごくきれいだったからだ。

それから形が崩れないようにスプレーで固め、シュシュを付けた。

「完璧っ!」

時計を見ると、まだ5時にはなっていなくて…。

やることがなかったので下に降りた。


「あら、可愛いね」

「ほんと!?」

「えぇ、似合ってる。ご飯は食べていくの?」

「うーん分からないや」

「そう、じゃあサンドイッチ作ったから持って行きなさい」

「うん」

「行くときになったら渡すね。声掛けてちょうだい」

「このトマト食べていい?」

「いいわよ。優心ちゃんは小さいころからトマト好きよね」

近くにあったミニトマトを手でつまむ。

「こら、箸で食べなさい!」

そう言われ箸で食べてるけど…トマトって箸じゃつるつるしてつかめないんだよね。

「取れないよ~~」

「じゃ、手でいいよ。でもこぼしちゃだめよ、ワンピースが汚れちゃうから」

「はーーい」


*******

「ごちそうさまでした!!!」

「あら、全部食べたの?」

「美味しくて」

「まあいいけどさ。もう5時過ぎたよ」

「うそ?!行かなきゃ!」

「あ、そう言えば充電器は持った?」

「え?」

「え?じゃないでしょ?そこにあるじゃない」

おばあちゃんが指差すほうを見ると確かに携帯の充電器があった。

「それは母と父のだから。でもあたし充電器持ってなかった。言ってくれてありがと、おばあちゃん」


「いーえ。ほら時間が迫ってるよ!忘れ物しないようにね」


「はーい!」

そう言って2階の部屋に行きあたしは机の引き出しの中にある充電器を取り出しキャリーバックの中に入れた。