あふれるほどの愛を


「もしもし」

『愛川!?大丈夫か?』

電話でもわかるくらい焦ってるのが分かる。

「大丈夫だけど…」

『よかった。俺、お前の気持ちも考えずにごめんな』

「坂井は悪くないじゃん!全部あたしが悪いんだよ!」

『違う、俺だよ!』

「あたし!ごめんなさいっ!」

あたしが急に大きな声で謝ったもんだから坂井は驚いてるみたい…

でも、気にせずに言葉をつづけた。

「坂井はあたしの事心配してくれたのに、あたしあんなこと…本当にごめんなさい!謝って済む問題じゃないけどごめん…」

いつの間にかあたしは電話で話してるのにあたまを下げながら謝ってた。

『いいんだよ、そんなに謝らなくて。
でも、ひどい言葉だったな、俺はお前の事そんな風に思ったこと一度もねーのに。なんか俺傷ついたんだけど?』

「うっ、ごめんなさい」

『俺は謝ってほしくなんかねぇよ。まぁ愛川の声聞いてスッキリした。さっき家言ったんだけど、お前の部屋電気付いてなかったからさ心配で』

「え?あの後あたしの事追いかけたの!?」

『当たり前だろ?』

「はは」

『なに笑ってんだよ?」

「いや、嬉しいなぁって。ありがと」

『愛川が無事で何よりだ。
これで今まで通りな。5日楽しみにしてるな!」


5日…?

「あっ!5日まで泊まるんだっておばあちゃん。ど、どうしよ…」

『どうしようって、海は絶対行くからな!なにがなんでも、抜けてこいよ』

「そんなこと言われても…困る。まぁ、何とかするから大丈夫!安心して」

『愛川の大丈夫は宛てになんねえからな』

そのあともあたしは大丈夫と言ってるのに、坂井は信用できん!とか言って…

しばらくの間言い合いが続いた。