「噂で聞いた愛川は、何考えてんのかわかんないとか、誰とも話さないとか、暗い奴だとか、ばっかりだった。だから俺の想像してた奴なんかじゃなくて、まるで、別人だと思った。廊下とか朝会とかで愛川見かけても全然笑わないし。でも、昨日話して、愛川と居て、愛川の印象が大分変わった。
ほんとは、明るくて優しい奴なんだって。」
と言って、坂井はあたしの頭をポンポンと優しくたたいた。
なにも言わないあたしに坂井があたしの顔を覗き込んだ。
「愛川、なんで泣いて……」
彼はあたしの顔を見るなり、心配そうにそう言った。
「大丈…「嬉しくって」」
彼の言葉をさえぎって、言った。
「えっ?」
かれは、予想していた言葉と違ったからなのか、目を見開いてあたしを見ていた。
そんな彼を、無視してあたしは話を続けた。

