あふれるほどの愛を


―――――――ガチャ

ドアを開けてすぐ声を掛けたのはおばあちゃん。

母はあたしを睨んでる。遅いからか。


「あら、優心ちゃん。久しぶりね、元気にしてた?」

「はい、元気です」

「よかった」

「おばあちゃん、いつまで泊まって行くの?」

あたしは気になったことを聞いた。

そしたら母は、あたしに向かって声を上げる。

「ほら、優心!おばあちゃんになに来てるの!」

「いいのよ、8月5日までだよ」

そんな母に向かって、おばあちゃんは笑ってて。

えっ…5日は海に行く日じゃん!

困る…すっごく困る。

「そっか…」

そう冷静に答えてるけど、内心は大慌て。

「あたし、宿題したいので部屋行ってもいいですか?」

「そう?いいよ。頑張ってね」

「はい、ゆっくりしてってください」

そう言ってリビングを出た。

あんなところにずっといるなんて耐えられない。

なんで、おばあちゃんはあんなに優しいのに、母はあんなんだろ…

まぁ、亮にはすごく優しんだけどさ。

部屋に入ると、雑誌を広げ、ベットにねっ転がった。