「で、さっきどうして暗い顔してたの?」
「実は…」
あたしは坂井の事を麻衣ちゃんに話し始めた。
「そっか。春樹くんとケンカしちゃったわけか」
その言葉にコクンと頷く。
「だから、優斗は春樹くん家に泊まりに行ったんだ。それで、海に行くのが気まずくなっちゃったってことね」
「あたしが悪いんだけど…」
「そう思ってんなら謝ったほうがいいんじゃない?ごめんねってさ」
「でも…あたし海行かない!」
「それはだめ!優心ちゃんすごく楽しみにしてたじゃない。
ここだけの話さ、春樹くん海行くのすっごく楽しみにしてるんだって。この前4人で買い物行った時楽しそうに浮輪とか服とか買ってたって、そう優斗が言ってた。
絶対優心ちゃんには言うなって言われてたんだけど春樹くんが楽しみにしてるってことを優心ちゃんに知ってほしくて」
「でも…」
「じゃ質問変えようか?優心ちゃんは春樹くんのことどう思ってるの?」
「え?」
なんでそうなるの?
「一緒にいてどう?楽しい?自分らしく入れる?」
「坂井と一緒にいると自然に笑顔になれる」
「他には?」
「最近…ううん、なんでもない」
「そっか。でも、優心ちゃんにとって春樹くんは大切な人ってことだよね」
あたしはなんとなく俯いてしまう…
「大丈夫!春樹くんなら大丈夫だって。
直接謝れないんなら、電話でもメールでもいいんじゃないかな?」
「考えてみる」
あたしは気づいたらそんなことを言ってた。
その言葉に麻衣ちゃんはそれでよし!と頭を撫でてくれた。

