「優心ちゃんはオレンジジュースだよねっ!」
「うん!」
「優心ちゃんに渡したいものがあってさ…ちょっと待っててね」
そう言って麻衣ちゃんが開けたのはクローゼット。
そこから出てきたのは大量の紙袋。
その袋のロゴは見たことあるものばかりで…
「あっ!それって遊園地の時の!!」
「そう。渡しそびれちゃって…それは嘘で、また優心ちゃんに会いたくてね、海行く前にさ」
「どうして?」
「理由はないよ。ただ優心ちゃんにまた会いたくて」
あたしはあたまの中にハテナを浮かべる。
なにも言わないあたしを見た麻衣ちゃんはふっと笑い…
「嘘だ~って顔してるね。でも本当。あの時は優斗たちもいたじゃない?やっぱ女子同士のほうがいいじゃん?だからよ」
「そっか」
「でも、今日はちゃんと持って言ってよ、紙袋。」
「わかってるって!」
「絶対だよ!!忘れたらあたしもついてっちゃうからね」
麻衣ちゃんって心配性みたい…
「もうわかった!お土産買ってくるからね!」
「いいの。お土産は。優心ちゃんがたくさん楽しい思い出を作って来てくれればそれが私へのお土産になるんだから」
「じゃ、たくさん思いで作ってくる!」
「うん!でも一枚は写メ送ってよ!」
「りょーかい!」
「スマホ身に離さず持ってるからね!」
「分かった!」
海の話が終わると、麻衣ちゃんが机の引き出しから雑誌をもってテーブルに広げた。
そのページには、かわいいカフェの特集がされていた。
「これ見たとき、優心ちゃんの顔がパっと浮かんでね、一緒に行きたいなって。今度行かない?」
「いきたーい!」
「よかった。今度行こうね」
絶対よって指きりした。

