散々走ってたどり着いた場所は、昔よく来ていたカラオケ屋の前にいた。


あたしは、なんの戸惑いもなく1人でカラオケ屋に入っていった。


店員さんには、「お一人ですか?」ってジロジロ見られてた気がしたけどそんなの気にし
ない。


部屋に入っても歌う気は全く起きなくて…ただ座って画面を見てた。


なんで坂井にあんなこと行っちゃったんだろ…

最低だ…。

坂井は今頃、あたしのことなんか呆れちゃったかな。

別に飽きれたってあたしには関係ないのに…

どうしてだろう?

胸の奥がざわざわするのは……。


そんな気持ちを消したくて、マイクを手に持ち、曲を入れた。