机の中にある教科書をロッカーにしまうためにあたしはサブばの中から鍵を探す。
そう、あたしの高校はロッカーに鍵がついてるんだよね。
財布とかケータイを取られたっていう人も中にはいて。
だからあたしは財布とスマホは制服のポケットにしまっている。
教科書と縄跳びやジャージをロッカーにしまうと財布を持ち、自動販売機に向かった。
「今日はオレンジジュース気分」
廊下を歩っていると、みんな昇降口に人がいっぱい。
教室にはいるとクラスメイトはほどんどいなくなっていた。
電気だって消えてるし。
あれ?あそこの席ってあたしじゃない?
昨日席替えをしたからあたしの席はベランダ側から三番目の席。
そこには、誰かが座っていた。
恐る恐る席に近づいてみると…
「なーんだ、坂井か…」
「なにそれ?誰だと思ったんだよ」
「なんであたしの席にいるわけ?」
「愛川を迎えにきた」
「意味わからないから!」
ニコニコしてる坂井。
あたしは怒ってるっていうのに!!
「ファミレス行かねー?」
「は?」
「理由はファミレス言ってくれたら話す。たまにはいーじゃん!寄り道すんのもさっ」
その言葉にあたしはなんか頷いてしまったんだ。

