「一ヶ月間の夏休みを有意義にーー」
今は体育館で終業式中。
今は校長の話なんだけど、長過ぎて飽きて来たところ。
周りの人たちもはなしなんか聞いてはいなくて、友達としゃべってる。
「では、楽しい夏休みを」
はぁーやっと終わった。
疲れた顔をして体育館から出て行く生徒たち。
でもあたしは、出口の反対のほうに足を進める。
あたし、生活委員なんだよね。
だから、最後に壇上とかの掃除をしなきゃいけないんだよね。
やる気なかったんだけど、村田にサボるなよと念を押されたんだ。
海の券をもらったから、サボっちゃダメだなと思ったんだよね。
「よいしょ」
重過ぎなんだけど…
「はぁー終わった」
「愛川!」
片付けを終わらせたから、教室に戻ろうとしたら、村田に声をかけられてあたしはその場に立ち止まる。
「なんですか?今日はちゃんと最後までやりましたよ?」
「今日だけじゃなくて、毎回しろよ。
海までもうすぐだな。みんなで楽しんで来いよ!ちゃんと愛川たちのことは伝えといたから。行けばわかるとおもう。
楽しい思い出作って来いよ!」
そう残して、村田は体育館わー出て行った。
シーンとした体育館。
気づけば体育館の中はあたしだけになっていた。
「普通、生徒を先に出すでしょ!」
イラっときつつも、あたしは放送室に入り、鍵を取りに行き、鍵を閉めた。
そのせいで、教室に帰るのが遅くなってしまった。
村田も教室にいたし。
それから夏休みの宿題やプリントを配ったり村田のはなしを聞いたりして一学期のSHRが終わった。

