坂井たちとショッピングに行った日から9日過ぎた今日は、終業式。
いよいよ待ちに待った夏休み…
なんだけど、あたしには地獄の日々が始まる。
考えるだけで頭が痛くなる。
「おはよ」
廊下を歩いていたあたしに声をかけてきたのは長瀬くん。
「おはよ。今日もノリノリだね!」
会うとあたしにいつも話しかけてくれる長瀬くん。
でも、遊園地に行った時から、本当に仲良くなれた気がした。
「おう!だって明日から待望の夏休みだから。海楽しもーな」
「うん!麻衣ちゃんのことなんだけど…」
あたしが言いづらそうにしてことに気づいた長瀬くんはあたしを見てニコッと笑を見せて。
「大丈夫、心配ならいらないよ。ねーちゃん残念がってたけど、また優心ちゃんと出かける約束したからって喜んでたから不安になんかならなくていいよ!
単純なやつだからさ。
それに、本当に大好きたんだなって思ったよ、優心ちゃんのこと」
「ありがとう…。今度麻衣ちゃんと旅行行くんだぁ。超楽しみなの」
「そっか!それねーちゃん言ったら飛び上がるな」
「なにそれ。でも、麻衣ちゃんにごめんねって言っといてくれる?」
「りょーかい!じゃ、またな」
手を降る長瀬くん。
それを見届けてあたしは教室に入る。
相変わらず、あたしに挨拶をして来るクラスメイトは居ない。
麻衣ちゃんとあんなにいたからなのかな?
隣に誰かがいないってことに違和感を感じるんだ。
遊園地に行った日から。
でもそんな気持ちを隠すように本を開いて読み始めた。