side優心


「おい、愛川!そろそろ起きろ!愛川!」

誰かに揺すぶられて、重たい瞼をあける。

「な……に?」

「もう6時だよ?朝練の奴が来ちゃううぞ!」

「朝…練??あっそっか!ココ学校だ!」

そう言うと坂井が、

「そーだよ!寝ぼけてんのか?しょーがねぇな。」

と言って、あたしのおでこに、デコピンした。

「いたっ」

あたしは涙目になりながら、坂井をにらんだ。

「そんなにらむなって。かわいい顔が台無しだぞ。」

「はっ?」

「あー、ごめんごめん」

坂井のいい加減なごめんねにあたしの怒りは増すばかりで、、、
そんなあたしの態度に気付いたのか、

「ほんとにごめんって。」

彼は両手を顔の前に合わせて「ごめん」を繰り返していた。そんな彼の態度に、あたしは、ぷっっと吹きだして笑ってしまった。

だって、坂井があまりにも真剣にあやまるから我慢できなくなったのだ。