あふれるほどの愛を


「俺、線香花火にする!」

「あたしも!」

今は坂井と二人で線香花火をしている。

「キレイってかここどこなの?」

「土手だよ。花火って言ったらここが穴場。川も流れてて、水もあるし」

確かに言われてみれば、草がいっぱいかも。

「あ!愛川おちた」

「え?」

坂井があたしの線香花火をじーっとみるからあたしも見てみると、そこに火花はなかった。

「あたし、もう一回!」

そんなことをしてるうちに線香花火が終わってしまった。


麻衣ちゃんのほうに戻ると、大量にあった花火の山がなくなっていた。

「あと、少ししかないじゃん!」

「もーね楽しすぎて」

「あたしもやるーっ!」

「優心ちゃん見て、パチパチしてる」

麻衣ちゃんの花火は線香花火が大きくなったみたいにパチパチしてた。

「あっ!あたしもだ」

坂井と長瀬くんは男子2人でワイワイしていた。

「優心ちゃん、楽しんでる?」

「うん。花火とか久しぶりだったから、超楽しい。ありがとね」

「よかった!楽しんでもらって」

「今日はありがとう。色々と」

「喜んでもらえてなりよりだよ」

話してる間も手は止まることなく、花火は続く。

「あー!ない!終わっちゃったの⁉」

「うそ⁉はやっ」

「まーだあるに決まってんじゃん!」

離れたところにいる長瀬くんの声が聞こえ、そばに駆け寄って見る。

「ジャジャーン!打ち上げ準備完了!」

坂井はあたしに向かってダブルピースをした。