「おー!もうてっぺんだぞ?すげー高いな」
坂井が窓を覗く。
「きれー。落っこちそう」
そんな坂井に続きあたしも覗く。
「落ちねーよ、今日は最高な日だな」
「ねー。またこの四人でこようね」
「すげー楽しかったぞ!」
「まだ今日終わってないから!」
そんな声が聞こえる。
その言葉を聞いてると、胸がジーンとする。
忘れてた気持ちが溢れ出てくる。
「優心ちゃん?」
なにも言わないあたしを不思議に思った麻衣ちゃんが聞いてきた。
「嬉しくて…。ここにあたしが居れて。連れてきてくれてありがと」
「そんな〜。楽しいって思ってくれたんなら私は大満足。具合もすっ飛んだみたいだし。こちらこそありがとう」
「嬉しいことばっかり、言うんだから麻衣ちゃんは」
みんなの温かい気持ちに触れて、あたしは瞳に涙を溜める。
泣いちゃダメ、泣いちゃダメ。
そう、自分に言い聞かせて。
……なのに、そんな意思とは反対にこぼれる涙。
それに気づいた坂井はタオルを貸してくれた。
麻衣ちゃんは、
「嬉し涙は流していいのよ」
と抱きしめてくれる。
ーーーーいつぶりかな?
人の為に、人になにかしてもらって涙を流すのって。
いや、初めてかもしれないなぁ。