「優心ちゃんの笑顔って、いいよね」
「そんなこと初めて言われた。最近だよ、よく笑うようになったのは」
ここ何年かは、心から笑った日はなかった。
“笑う”ということを、ずっと忘れてたみたい。
いつからかな?よく笑うようになったのは。
「春樹くんとあってから?」
なんでそこで坂井が出てくるの?
「ちがう!絶対違う!!」
「そんなに、否定しなくても。春樹くんかわいそうじゃない?」
「ちがう!ってか、やたら坂井の肩持つんだね、麻衣ちゃんは」
「違うよ!春樹くんの気持ち考えたらかわいそうだな〜なんて思ってね」
そういう麻衣ちゃんは怪しい笑みをしていた。
絶対信じれないな。
「もう麻衣ちゃんのいじわる!!」
ふんっとあたしはベンチの端まで移動してそこに腰を下ろす。
「優心ちゃん、ごめんね。でも、そのうち気づくことだと思うし?ってか、自分で気づかなきゃダメなことだし」
独り言?みたいにすらすら話す麻衣ちゃん。
聞いていても、さっぱり意味は分からなかった。

