彼は、続けてこう言った。
「高校に入ってよくお前の噂聞くようになった。その噂がお前が言ってたやつ。俺、噂嫌いで。だから信じなかったけど。」
「はっ?でも、友達が言ってたのは信じたの?確信なんてなかったのに」
彼は思い出したように、
「あぁ、実は写真見せてもらったんだ。お前の笑った写真。」
その写真を思い出したのか、笑いながらそう言った。どんな写真だったのかな…なんて思いながら、あたしは首をかしげた。
「その頃、俺は抜け殻状態だったし、笑うことさえ忘れてたからさ。なんとなくだけど、救われた。こんな奴いるんだな~て」
そう言った彼の顔は、今にも消えそうなくらい悲しそうな顔だった。
…………だから何も言えなくなったんだ。

