あふれるほどの愛を


「愛川?大丈夫か?」


「うん…ごめんね迷惑かけて」


「それはいいけどさ」


「麻衣ちゃんは?どこか行ったの?」

愛川はきょろきょろ見渡していた。

「なんか買いに行った」


「そっか、優斗くんは大丈夫?」

愛川は心配そうに聞いてくる。

自分の心配じゃなくて人の心配ばっかするんだよな愛川は。

「隣のベンチでぐったり。でも心配しなくて大丈夫だぞ?落ち着いてきたから」


「そっか。よかった。にしてもお化け屋敷怖かったなー坂井いなかったらあたしどうなってたか」

「よかったよ、優斗に任せなくて」


「はは、なにそれ。坂井も最後は怖かったでしょ?」


「あれは、ビビったな。愛川もこけそうになったし」


「助かったよ、坂井が助けてくれて」


気のせいだろうか…?

普段より愛川が優しく見えるのは。

「坂井…?」

ボーっとしてた俺に気づいたのか愛川が心配そうに俺の顔を覗き込む。

「あ、ごめん。だな、俺がいなかったら愛川どうなってたか」


「ひどいって言いたいけど、確かに」


「今日の愛川はやけに素直だな」


「あたしはいつも素直でしょ?」


「よく寝たーー」

隣のベンチからのんきな声が聞こえた。