あふれるほどの愛を


麻衣ちゃんと長瀬くんが行って、坂井とあたしだけが残された。

「坂井、ロッカーに入れるものは?」

ロッカーに入れ終わると坂井は、

「俺入りたくなくなってきた」


「確かに。怖い」


「でも、行くか!」


「坂井、あたしの事守ってよ!!!」


「はは。愛川がそんなこと言うなんて、よっぽど怖いんだな」


「うるさい!早く行くよ!」

お兄さんにフリーパスを見せると、「カップルですか?」と聞かれた。

「はい、そうです」なんて坂井は答えて、あたしはお兄さんに気づかれないように握っている手をギュッと強く握った。

すると、そのお兄さんはお似合いですよなんて言ってきた。そんな言葉に苦笑いを浮かべるあたしに対して坂井は「どうも」なんて言っちゃってて。

『はい、いってらっしゃーい』

「キャーー」

はじまってそうそうあたしは大きな悲鳴を上げる。

「愛川、ビビりすぎ。シューってしただけじゃん」


「だってぇ」


それからも、あたしの大きな悲鳴は止まることなかった。

そんなあたしに坂井は呆れながらも、ずっと手を握ってくれていた。


ーーーシュー

またなんか、キリが出てきてあたしは叫ぶ。

そのあと、なんか人が追いかけてきて…それには坂井も怖かったのか一緒にダッシュで外に出た。

驚きすぎて目の前にあった段差にこけそうになったが、坂井がそれに気づいてくれて、転ばずに済んだ。


外に出たら、麻衣ちゃんにわっと驚かされて、ころっと後ろにこけってしまった。