あふれるほどの愛を


「なに、この量」

車の中にはあふれるほどの荷物の山。

「よし、完了!遊園地行くぞ」

坂井はそんなの気にせずに荷物を置いた。

クマのぬいぐるみを置くとさらに狭くなる。

「う、うん。楽しみだね」

坂井は車に鍵をかけると、遊園地のほうにむかった。

「優心ちゃんーー!!」

大きな声であたしを呼んだのは麻衣ちゃん。

「これ、はい」

「オレンジジュース?」

「うん。オレンジジュース好きだった?」

「大好き!」

「よかった。春樹君にはサイダー。はい」

「サンキュー」

そして、遊園地に入った。

「わーすごい」

「よっし!めーいっぱい楽しむぞー!!」

「「「オーーーー!!」」」

三人の声が重なった。

「じゃ、最初なに乗る?」

「ジェットコースターだな」

「え…」

長瀬くんの言葉に一番に反応する。

だって、あたしはジェットコースターが遊園地の中で一番苦手…いや嫌いなのだ。

あんな…急降下したり、ぐるぐる回ったり…あたしには絶対無理。

そんなことを思ってるうちにこの遊園地で一番乗り応えがある、最近できたすごいというジェットコースターの目の前にいた。

「よし、乗ろうかって、優心ちゃんどうした?顔が強張ってるよ?」

怖いのが顔に出てるのかなあ…?

ジェットコースターが嫌いなんて…今さら言えない。

遊園地にまで来てジェットコースターに乗らないなんて…着た意味がない。

坂井からも長瀬くんからも「大丈夫か?」とか「どうした?」とか言われたけどあたしは黙ってしまう。

「もしかしてジェットコースター苦手か?」

坂井にあたしの心の気持ちを言われ…

「なんで…」

「そうなの!?無理しなくていいよ」

「で、でも」

今日は、すごく楽しくて…きらきらしてて、もうこんなに笑える日が来るなんて思えなかったのに…

でも、坂井がいる。長瀬くんもいる。そして、麻衣ちゃんも。

みんなで乗れば楽しいよね…

気付いたら、ジェットコースターの前に居た坂井たちが居なくなってた。