あふれるほどの愛を


あれ?なんか忘れている気がするのは気のせい…?

いや、気のせいじゃないよね?でもなにを…

「あっ!」

突然大声を出したあたしに坂井が声を掛ける。

「どうした?愛川!」

「ロッカー!!」

「そうだ!俺ら忘れ物したから、先行っててくれない?」

「いいけど…これ鍵。じゃ私らは遊園地の入り口で待ってるね」

「りょうかい」

「ゆっくりでいいからね」

麻衣ちゃん達と別れ、あたしたちは来た道を戻り始めた。

「愛川、よく覚えてたな。俺なんかすっかり忘れてた」

「あたしもさっきまで忘れてたんだけど、小さい子がうさぎのぬいぐるみ持ってるのみて思い出した」

「そっか、サンキューな。愛川が思い出してくれなかったら、ロッカーのにクマ置いて行くところだった」

「よかった。思い出して」




「ここだ、愛川荷物持ってて」

坂井はロッカーの鍵をポケットから取り出し開けた。

ロッカーの場所は、入り口からすごく近くにあった。

「おーいた!」

開けたロッカーから出てきたのは大きなクマのぬいぐるみ。

「うわ!大きっ」

「だろ?愛川の抱き枕になるんじゃない?

「ならない。想像してたより大きいかも…」

「あれ、俺写メ送ったよな?」

「見たけど、こんなに大きいとは思わなかった」

「でも、俺が頑張って取ったんだから、飾れよ?」

「う~ん、部屋に飾るよ」

「そうこなくっちゃな」

「坂井!早く行かなきゃ!麻衣ちゃんたちが待ってる」

そう。あたしたちは、ロッカーの目の前で話していたからさっきから一歩も進んでいない。



「そう言えば、坂井何買ったの?」

「海に必要なもの、浮き輪とか」

「そうなんんだ」

「あとは、服だな」

そんな事を話していると、車に着いた。

ドアを開けると、車の中は荷物でいっぱいで、あたしは驚きを隠せなかった。