あふれるほどの愛を


あたしは、目の前で足を止める。

「俺のお願い聞いてくれるんだよな?」

「は、はい」

「じゃ、入るぞ」

今はゲーセンに着ている。

さっき坂井が私の耳元で言ったお願いをやるためだ。

“じゃ、俺とプリクラ取って”

さっき坂井はあたしの耳元でそう言ったんだ。

プリクラなんて、最近取ってないし。

それに男子となんて。

ちょっとあたしにはレベルが高い。

「そんな緊張しなくても。リラックスリラックス!!」

あたしは、バックからくしを取り出して、とかし始めた。

「よし、準備オッケーだな」

そういって坂井はお金を入れて操作し始めた。

その様子を見てると、慣れてる様子で。

「愛川!!背景どーする??」

「じゃこれとこれ」

「いいね。俺はこれ‼」

「えー!!なんでハートなの?!あり得ないんだけど」

あたしが選んだのは、星と花柄。

今日…花柄ばっかだ…

坂井が選んだのは、ふたつともハート。

カレカノじゃないんだからさ…バカ。

【3.2.1カシャ】

けんかなんかしてる場合じゃない。

プリクラは待ってくれない。

そんな音がしてあたしは慌ててポーズする。

「定番はピースだな。次はどーする?ハート柄だから2人でハート作ろーぜ?」

あたしは乗る気ゼロ。

なのに坂井は無理やりハートを作った。

そして撮影が終わり、今は落書き中。

…なんだけどなんて書けばいいのかさっぱり分からない。

仲良しなんて書けないし。

友達とも書けないし…ど、どうしよ。

あっ。これにしよう。

そして書いたのは“ショッピング中NOW”

となりを見ると坂井は手が止まらずスラスラと落書きしていた。

どーしたらそんなにかけるの??

あたしは、落書きを続けた。

書くことないから、キラキラとかデコっといた。

そして、印刷されたのをみたら、坂井の落書きは、女子みたいにすごくデコっていた。

「プリGET!」

「良かったね」

「サンキュー、楽しかったな。あとで愛川にもプリあげるな。ゲットしたから」

「ありがと。もう戻る?」

「だな。たのしかった」

そういって、着いた頃には椅子に座って待っている人の姿に長瀬くんと麻衣ちゃんはいなかった。