あふれるほどの愛を


あれから坂井と長瀬くんは着替えに行ってくると言って、二人して寝室の中へと消えていった。

それであたしは、リビングに一人に取り残されている。

「やることないんだけど…」

…やっぱりテレビしかないな。

そう思いあたしはテレビの電源をつけた。

すると、ニュースがやっていた。

そのニュースには、海の光景が流れていた。

友達と来ていたり、カップルや、家族で来ていた。

みんなワイワイ楽しそうで…笑い合っていた。

「あたしんちには、もう一生ないんだよね…」

気付けば、あたしはそんなことを言っていた。

と、同時に電源を切った。

あんなの…見れないよ

テレビに映ってる光景と自分の置かれている状況の違いに胸が痛くなった。

そうしている間に坂井たちは戻ってきた。

「愛川お待たせ」

「二人ともカッコイイね」

「だろ~。でも優心ちゃんのほうが何倍もかわいいよ」

「そんな冗談、みんなに言ってんでしょ?」

「言ってないし。優心ちゃんにだけ」

「もう!からかわないでよ!」

「お二人さん。そろそろ行きますか!!」

しばらく黙っていた坂井が口を開いた。

「だね、行こっ!!」

「だな。出発進行ーー!」

「あ!どこに行くの?」

「内緒!さっき出発進行なんて言ったっけど、もう一人着たら出発ね。だから少し待ってってね」

長瀬くんは、意味の分からない事を発した。

あたしの頭の中は「???」でいっぱいになった。

そんなあたしに長瀬くんは笑っていた。