あふれるほどの愛を


「よかった。そういってくれて」

「春樹も喜ぶよ!電車に乗って行くから遠いけど大丈夫?具合悪くなったら言ってな、遠慮しないでいいから」

「ありがと」

「降りるよ」

電車を降りてからは、些細なことを話しながら坂井のマンションに向かった。

坂井のマンションが見えたところで、

「誰かいる?」

それに手まで振っている。

「春樹だ!おーい」

長瀬くんがそういったから分かった。マンションの前に居たのは坂井なんだ。

「おーいじゃないから。優斗愛川連れてどこ行ってたんだよ」

「優心ちゃん家に行ってたの。着替え取りに。春樹起こしても全然起きねーからさ」

「あっそ。そろそろ行くか?」

「そうだな。優心ちゃんもう知ってるけど」

「知ってんの!?」

「さっき話した。行くってはりきってたよ!!」

「はりきってないから!!」

しばらく黙っていたけど、長瀬くんの言葉には言葉を返した。

「愛川いたのか」

「何それ!ずっとここに居たのに。さいてー」

「ごめんごめん」

「ま、いっか。その代わりたくさんおごってね」

「しょーがねーな」

「ずるーい!昨日俺には自分のものは自分でって言ったじゃんよ」

「優斗は優斗。愛川は愛川だから」

長瀬くんは、「しょーがないな」と呆れた顔であたしたちを見ていた。