あふれるほどの愛を


「ごめんね…電車のお金まで出してもらって」

あたしたちは今あたしの家の最寄り駅の改札を出たところだ。

「大丈夫だって」

「ありがとね、長瀬くん」

「いーえ」

「ココ右曲がると家に着くよ」

「あ!隠れて」

玄関から仕事へ向かう両親が出てきてあたしたちは大きい森の中に隠れる。

「どうしたの?」

「ちょっとね」

それから少しして、両親が過ぎた後。

「ごめんね…ココあたしん家。中入って」

「外で待ってるから行ってきな」

「いいの?すぐ来るからねっ!」

玄関を開けると、亮が立っていた。

「どうしたの?」

「早く起きちゃったから」

「そっか。ママとパパは?」

「仕事行ったの。僕ね、友達と遊んでくるね」

「分かった。気をつけるんだよ?」

「うん。行ってきまーす」

そう言って亮は楽しそうに家を飛び出していった。

あたしは2階に行き、クローゼットを開けた。

「何にしようかな…」

15分選び迷った結果、花柄の入った薄ピンクのスカートに、白いブラウスを合わせた。

髪は、お団子でまとめた。

そして最後に、赤いリボンで留めた。

「完璧♪」

全身鏡で確認すると、カーディガンを片手に持って部屋を出た。