あふれるほどの愛を


「おはよ、優心ちゃん」

そんな声がして後ろを振り向くと長瀬くんが眠たそうな顔をして立っていた。

「おはよう。長瀬くん眠たそうだね」

「眠いよ。結構寝たはずなのに。あれ見てよ」

長瀬くんの指差したほうを見てみると、坂井が丸まりながら寝ていた。

「さっきは大の字で寝てたのに。長瀬くん水飲む?」

「俺も大の字だったでしょ?じゃもらおうかな」

「うん。気持ち良さそうに寝てた。ちょっと待っててね」

あたしは水を注ぎにに向かった。

「長瀬くん?はい」

「サンキュー。あのさ、優心ちゃんひとつ聞きたいことあるんだけどさいい?」

そんな顔されたら断れないよ…

「いいよ」

「いつ、春樹と知り合ったの?」

「えっ」

「いや、珍しんだよね。春樹が女子とこんなに仲良くなるの。誰とでも距離取るやつだからさ」

「そうなの?坂井モテモテじゃん?」

「なに?やきもち?」

「そんな~」

「だよね。女子にモテるけどあいつはそういうの興味ないし。もちろん男子にもね。クラスでも俺以外の奴と話してるところもあんまないしさ。だから不思議でさあいつが優心ちゃんと仲良くしてんの」

「………」

「女子たちには笑顔散々振りまいてるけど、あれは本当の笑顔じゃない」

「それはあたしも思ってた。偽物の笑顔って感じ。なにかを無理やり隠してるようなそんな…」

「そうだな。隠してる?」

「うん。自分の気持ちを隠してる。あたしはそう思う」

「そんな優心ちゃんだから仲良くなっただな春樹は」

「そんなことない。あたしは坂井と長瀬くんが思ってるような人じゃないよ」

そう言い、あたしはオレンジジュースを飲みにキッチンに向かった。