「おい、優斗か?過呼吸になったらどーすんの?」
「は?どうしたんだよ?」
「愛川が過呼吸になって…それで今意識がないみたいなんだよ。俺どうしたらいいのか分からなくて、呼び掛けても起きねーし」
「春樹!落ち着け」
「落ち着いてられるかよ。愛川が苦しんでんだぞ?」
「まず、お前が慌ててどうすんだよ。俺も行くから!お前んちだよな?わかった。俺が行くまで、お前が近くにいて、安心させてるんだぞ。口に袋も当ててろ」
そう言って電話はブチっと来れた。
「愛川大丈夫だからな。俺がいるからな」
そう言ってるけど実際どんどん悪くなってるように見える愛川を見ていると、本当にこのままでいいかなという衝動に負けそうになる。
口に袋を当てていると、さっきより袋のおかげで息ができて来たように感じた。
「春樹ー。どこだ?」
「寝室だ」
春樹の声がして俺は安心してホッとした。
でも愛川に視線を戻すと、不安でいっぱいになって。
「優斗!ここ。愛川が」
「優心ちゃん?優心ちゃん」
優斗が愛川に話し掛けてる。
でも、返事は帰ってくるはずはない。
「返事をしないのは寝てるから。最近寝てないんじゃないのかな。優心ちゃん。少し寝かせてやって」
えっ?ちょっと、なんかなんて言ってるかさっぱりわからないんだけど。
「ちょ、待てよ。大丈夫なのかよ?」
「あぁ、お前の看病の仕方が良かったんだな。呼吸も元どおりになってきたし。じゃあ、水持ってきてくれるか?」
俺は寝室をあとにしてリビングに向かった。
「持ってきた」
「ここ置いて。お前変わったな」
「はぁ?」
「前のお前なら、こんなことしなかったはずだ。ほっといてたよ」
「ひどいな」
「でも、俺は嬉しいぞ?前のお前も好きだけど、今のお前はもっと好きだぞ」
「好きとか気持ち悪いから、やめろ」
「あっそ。でも、久しぶりだった。あんなに焦った春樹の声聞いたの。電話の声なんかもう、叫びだったよ。
俺が前、自転車で事故起こした時振り。あの時も大丈夫かって、焦ってて。優心ちゃんに出逢えて良かったな」
えっ…
優斗以外では今までなかった?
誰かに出会えて良かったって思ったことなんか。
確かにな。愛川に出逢えて良かった…
今日、改めてそう思ったーーー

