あふれるほどの愛を


「愛川!愛川!起きろ」

あたしを呼ぶ声が聞こえた。

「う…ん、さ、かい?」

「やっと起きたか。何回起こしても全然起きないし」

「そっか。あ!あたしドラマ見てたんだった。あ~終わっちゃてるし」

そんなあたしに坂井は欠かさず声を掛ける。

「また見ればいいじゃん。明日、土曜だし学校休みじゃん」

「あ、そっか。ってか、坂井いつの間に!?」

「いつの間にって。さっきだよ、うーん、30分前くらいか」

「坂井、なんで1時間以上もお風呂に入ってたの?」

「あれね、見たいドラマがはじまりそうだったから、お風呂の中でスマホで見ようと思って、そしたら時間がたってたんだな」

それを聞いた時、安心して体の中の力がすーっと抜けていった気がした。

「よかった、なかなか出てこなかったからさ。ほんとよかった」

「愛川なに?俺の事心配してくれたってことか」

「そんなことありえない!!」

「すっごくうれしい」

全然坂井はあたしの声が届いてないみたい…

「もう、坂井のバカ!!もうあたし寝るから‼」

あたしはソファーに寝っ転がった。

「おい!ここで寝るのかよ?」

「そうだけど?悪い?」

「いや、悪くないけど。ちゃんとベットで寝ろよ」

「いや、いい!坂井が寝ればいいじゃん」

「じゃ、一緒に寝る?」

「バカじゃないの‼もうあたし寝る」

近くにあったクッションを坂井に投げつけた。

すると、坂井は参ったのか「ごめん」と言ってきた。

「俺がソファーで寝るから愛川はベットで寝て。おやすみ〜」

はやっ。

あたしも、リビングを出て寝室に入った。