あふれるほどの愛を


「はぁ…」

リビングに一人残されたあたしは、大きなため息をこぼした。

そしてテレビのリモコンを手に取り録画番組一覧を開いた。

「へぇ~結構取ってるんだ」

この前坂井ん家に来た時よりもたくさん録画が増えていた。

これ見たかったんだよね。

あたしの部屋にはテレビがない。

リビングにはあるんだけど、見られない。両親が居ないときはドラマを見たりゲームをしたりしているけど、あたしが見るドラマがやってるのは、9時からだから見られない。

はじめはスマホで見ていた時もあったけど、画面はテレビに比べたら小さいし、見てる途中で寝ちゃったりして…最近は見ていない。

坂井が録画してあるのは、あたしが見たかったドラマがたくさんあった。

「これ見よ」

あたしが選んだのは、大人気の漫画の原作をドラマ化した学園ラブストーリー。

このドラマはあたしの好きな女優さんが出てて、みたいなぁと思っていたからすごく気分が上がった。

坂井、こういうドラマ見るんだなぁ。

「ちょー以外なんだけど」

そう言いながらも、取ってくれたことに感謝してあたしはそのドラマを見始めた。

「面白い、このドラマ」

1話を見終わりあたしはこのドラマにはまってしまい、2話も見ることにした。

2話を見ていたあたしは、ふとあることに気付いた。

「坂井、遅すぎない?」

ドラマを見始めてから1時間はとっくに過ぎている。

いくらなんでも、遅い。

ちょっと心配になって見に行こうと思ったが、女子ならまだしも男子だ。

今、ちょうど着替えていたらどうしよう…とか思ってしまったら見に行けなかった。

まあ、そのうち来るよ!大丈夫!と自分に言い聞かせた。

もう少ししてこなかったら今度は見に行こう!と心に決めて、あたしは目線をドアからテレビに戻した。

その瞬間眠気が襲ってきて……

テレビの途中であたしの意識は夢の中へと落ちていった。