あふれるほどの愛を


「そろそろ寝るか?」

時計を見ると、10時を指していた。

「まだ10時じゃん。早いでしょ?」

「俺はもうこの時間には布団に入ってんの、偉いから」

「偉いってそんなわないでしょ?1人で寂しいからでしょ」

あたしの言葉に坂井は「バレた?」と言ってきた。

坂井はそんなことないよみたいな顔でわざとバレた?なんて言ってるけど、

絶対さみしいに決まってる。

高校生で一人暮らしをするなんて…

「坂井、お風呂入ってくれば?」

「入るんだったらさき愛川が入れよ?」

「あたしは、家で入ってきたから」

「そうなのか?それパジャマには見えないけど」

あたしは自分の着ている服を見た。

「パジャマでしょ。どうみても」

あたしが着てるのはワンピース。

ワンピースと言ってもラフな感じの。

ボタンやチャックなんかは付いていない。

それにひざ下までのワンピースだ。

これは、どう見てもパジャマ用のワンピースだ。

まあ、あたしが勝手にそう思ってるだけなのかもしれないけど。

「まあいいや。じゃあ俺入ってくるから。テレビとか見てて」

坂井はリビングを出て行った。