さっき、優斗には、やりたい事があるなんて言ったけど、ほんとはやりたい事なんかない
。なんとなくだけど、今日は家に帰る気がなかったんだ。

なんかやることないかな~って思い、机の中をガサガサとあさると、数学のプリントが出て来た。

「これでもやるか。」

数学のプリントを解き始めた。


―――――――ドタンッ

問題を解いてると、5・6組のほうから椅子が倒れるような音がした。

もう、7時半だよ?

さすがに教室に残ってるわけないだろと思ったが、

俺は音がするほうに足を進めた。

4組……5組……

誰もいないじゃん!

一応6組も見ようと教室を覗くと…

そこには、誰かが体育座りして、顔を隠して泣いていた。

しかも周りには、椅子や机、紙が散らばっていた。

髪が胸まであるから、女子だろう。

俺は、その子に近づいた。

泣いてる女子は俺には気づいてないようだった。

―――なんで泣いてるんだ?

自分に問いかける……。

気づいたら俺はその女子に話しかけてた。

「キミ、大丈夫??」


って……。


普段なら、こんな場面を見ても話しかけることなんてないのに、目の前の彼女を見てたら、勝手に口が動いていたんだ。

だって彼女は、

――――今にも消えそうだったから……。