「あんたって子は」
今あたしは、リビングにいる。
あのままお風呂に入ったあたしは、ついつい長湯してしまった。
そして、お風呂の前にいた両親に捕まって今に至る。
はぁ…最悪だ。
やっぱ最後に入ればよかった。
そうすればこんな事になんかならなかったのに。
「聞いてるの⁉なんであんたは…呆れてなにも言えないわ」
ぼーっとしてるあたしに気付いたのか、そう言ってきた。
「聞いてるよ…」
「声が小さい!なんであんたなんか産んだんだろ?あんたなんか邪魔なの!亮だってあんたの名前ばっか言うし、ほんとむかつくのよ、あんた」
母は狂ったようにあたしに悪口をぶつけた。
あたしの心がボロボロに砕けてきた。
あたしだって、好きで生きてるわけじゃないよ!!
それからも容赦無くあたしへの悪口は続いた。
言葉のピストルがあたしの心に穴を開ける。
「あんたはいらない子よ‼ウザい。あんたの存在がすっごくウザい!!」
ウザい…
この言葉があたしの頭の中を真っ白にさせる。
「じゃあ、あたしどうすれば、いいの?」
今にも消えそうな声で言った。
「はぁ?それくらいも分からないの?
いなくなればいいの。そしたらこの家は平和になるの。もう、消えて?いらないから、必要ないからあなたは。だから「やめて!あんたらの気持ちはわかったから‼あたしがいなくなればいいんでしょ?」
あたしは耐えられなくなり、母親の言葉を遮った。
目の前の2人は目を丸めてあたしを見ていた。
でもそれはたった一瞬で。
ーーーパチン
父の手があたしの頬を叩いた。
リビング内に痛々しい音が響いた。
「なにすんのよ!!」
「お前が悪いんだ。親に刃向かうんじゃない!いい加減にしろ!」
もう、わかったよ。
あたしはこの家にはいらないって事だよね。
「わかった。ごめんなさい。おやすみなさい」
ほぼ棒読みで…
もうなにも考えられない。
そういい、あたしはリビングを後にした。

