ーーーガチャ

「ただいま」

「おかえり、おねーちゃん」

玄関を開けてすぐあたしを迎えてくれたのは亮だった。

そっか、まだ6時だから両親は帰って来ていない。

「昨日待ってたのに…なんで帰って来てくれなかったの?」

あっ……

「ごめんね…じゃあ今遊ぼっか!」

そういうと、亮の顔が笑顔で溢れて。

つられてあたしも笑ってしまう。

「やったー!おねーちゃん大好き!」

あたしの足にぎゅーとして来るからあたしはすごく嬉しい気持ちになった。



それからあたしたちは、亮の部屋でゲームや人形セットで遊んだ。

遊んでる途中で目に入った時計は7時を指してて。

もうすぐ帰ってくる。

「もう、まま帰って来るからまた今度遊ぼうね」

「いいよ」

「亮は偉いねー。約束だね」

「うん。たのしみー」

ーーーガチャ

「ただいまー」

部屋のドアを開けたまま遊んでいたから母のこえが聞こえた。

やばっ。母が帰ってきた。

亮は母の声が聞こえると、階段を降り母の元へと走って行った。

「亮、ただいま。あれ?優心どうしたの?」

うわ、でた。

母は亮がいるときだけ、あたしの事をあんたじゃなくて優心と呼ぶ。

「あっ、亮と「おねーちゃんと遊んでたの!」

あたしの言葉を遮って亮が笑顔で言ったからなのか、母の顔があたしに向いた。

なんか…やな予感がするんだけど。

「そうなの。よかったね」

そう残して、2人でリビングへ消えてった。