ゴールを準備し終わると、優斗と俺は、パス練をした。
「お前また上手くなったんじゃねぇ??」
優斗が俺に向かって言った。
「毎日スクールで練習してんだもん。当たり前だろ!」
「はいはい。俺も頑張らなきゃ。」
「頑張れ。」
そう言って俺は優斗に笑顔を見せた。
「サンキュー、おっ出た。営業スマイル!」
優斗は、ハハッと笑いながら、部室に戻って行った。
「ふざけんな――」
俺は優斗の背中に向かった叫んだ。
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「春樹、優斗おつかれーー!!」
部活が終わって先輩たちにそう言われ、
「先輩もお疲れ様でーす。お先失礼します。」
と、部室を出た。
「じゃあ帰るか。久しぶりに二人で!!」
ニコニコでそう言ってくる優斗。
でも俺は……
「優斗ごめんな。今日ちょっと教室でやりたい事あるんだよ。」
「あぁ~そうか、しかたねぇな。また今度帰ろうぜ。」
「あぁ、ごめんな。また明日。」
学校の玄関で優斗と別れた。
俺は、教室に向かった。
静かな廊下。
3組に着いた俺は自分の席に座った。
「はぁ……」
俺は、今日何度目になるか分からないため息をついた。
優斗には、やりたいことがあるなんて言ったけど。
ほんとはない。
机の中から数学の宿題のプリントを出して、解き始めた。

