あたし全然分かってなかった。
アンタはいつだって限界だったのにあたしに悟られないようずっと元気に振る舞ってた。
あたしはただそれに惑わされてた。
自分ってこんなにバカだったんだって痛いほど気づかされた。
今ある感情は自分への恨みとアイツらへの憎しみだけだった。
麻理菜のことでこんなに憎しみの感情が出てくると思わなかった。
―……ガタンッ!
教室に入ると今までの人格がなくなり憎しみだけが残った。
「……うっ……」
気づいたら主権者の胸ぐらを掴んでいた。
「心奈止めなよ……」
大事な人が傷つくと自分の人格すら消えるほどキレられるんだって分かった。
「アンタ分かってるやってる?麻理菜をイジメればあたしも敵に回するってことだからね」
この時気づいた。
自分は二重人格だって。
「心奈だって幼なじみだから一緒いるんでしょ?だって他の人と違うんだよ。気持ち悪いじゃん」
「気持ち悪い?それはアンタの目が狂ってるからそう見えるだけだろ?あたしの目から見れば人を気持ち悪いだのって勝手に決めつけてイジメてる方がよっぽど気持ち悪いわ!!」
やっばーめちゃくちゃコイツ殴りたい。

