乙女ときどき予知者



落書きを消さなければ、先生に証拠として突き出すことが出来る。



アイツらを問い詰めるためのね。


だから麻理菜には悪いけど消すなって言ってある。


それが数日続いた。


先生も何も言わない。


体育でも仲間外れ。


ある日、あたしは先生に呼ばれて教務室に行った。


教務室の前で待っててと告げたはずなのに麻理菜の姿はなかった。


慌てて周りを探してやっと見つけた。


―……女子トイレでずぶ濡れになって倒れてる麻理菜を。


1階は職員用のトイレだからって油断してた。


急いで保健室に運んだ。

「麻理菜は大丈夫ですか?」


「イジメによるストレスでしょうね。意識がないっていうのが少し心配だけど」


ごめんね……麻理菜。


「あたしのせいだ。絶対守るって約束したのに……」


「この事は先生から……」


「いえ、自分で片付けます」


「先生は麻理菜のことだけよろしくお願いします」