「これから……楽しみだね……」
ハサミを開いたり閉じたりしながら近づいてきた。
「ねぇ?麻理菜チャン……」
―…ジョキジョキジョキジョキ。
『いや……いやぁぁぁー!!』
いつの間にか気絶していた。
また目が覚めると部屋には誰もいなかった。
"逃げるなら今だ"
そう思った。
恐怖ですくむ足を懸命に動かし、家を出た。
そしてあたしの家に逃げてきた。
「麻理チャン?どうしたの!?」
『……けて……お願い……助けて……』
「とりあえず家に入って?今、心奈呼ぶから」
いきなり夜中に訳も分からず起こされた。
目を擦りながらリビングに入ると麻理菜の姿を見て一気に目が覚めた。
麻理菜が家にいたことに驚いたんじゃない。
長くて綺麗な黒髪はガタガタに切られ、服もボロボロに切られていた。
「何があったの!!」
麻理菜に近づくとあたしの顔を見て安心したのかボロボロ大粒の涙を流した。
『……っ……ここ……な……うっ……助けて……ひっく……怖い……よ……』
「大丈夫だからゆっくりでいいから話してみて?」
クコリと頷き、話始めた。

