乙女ときどき予知者





「ふ〜ん、じゃ家まで送るけど?」


『いえ、家すぐそこなんで』


本当は送ってほしいよ。

でも……。



「あー!!」


後ろから大きな声が聞こえてきた。


それが誰かなんて聞かなくても分かる。


『梓、真士先輩なんでいるんですか?』


「俺らは学校の帰り道。二人は何してるわけ?」

『追跡です』


「誰の……「心の彼氏ってバスケ部のエースだったんだー!」


えっ、佐藤クンってバスケ部なの?


しかも1年でエースってすごいじゃん!?


『なんで知ってるの?』

「悠樹は中学からの後輩だからね」


「その頃からバスケ部のエースだったし、キャプテンもやってたよ」


『すごい……ぎゃっ!』

いきなり肩をトントンとされ驚いた。


『心奈……』


「家の前で何してんの?鞄ぐらい置けばいいじゃん」