乙女ときどき予知者




「……麻理菜」



優しい彼の声にあたしはゆっくり顔を上げた。



―……チュッ。



軽く唇と唇が重なった。


唇が離れると、宙の胸に中に引き寄せられた。



「ホント、バカだな……お前……ちゃんと人の話聞いてろよ」



『聞いてたよ……?』



嬉しかったもん……。



涙が出るくらい……。



「いつだってお前のことで頭いっぱいなんだよ。隣にいてくれねーと落ち着かないし、不安なんだよ……」



すごく嬉しい。



この気持ちは……



あたしだけじゃなかったんだね―……。