乙女ときどき予知者




―……後悔だけはしたくない。



「麻理菜……?」



ゆっくり振り向いた。



『ごめんなさい!』



あたしは深く頭を下げた。



周りからどう思われても構わない。



頭を下げたまま言葉を続けた。



『隠し事はしないって約束したのに……逃げたりして……ごめんなさい……!』



どうか……嫌いにならないで―……。



雫が床にポタッ、ポタッと落ちた。



足音でゆっくり歩み寄ってくるのが分かった。