乙女ときどき予知者




手を引かれ騒ぐ会場を、駆け抜けていく。



あたしには、もったいないくらい、かっこいい彼氏だよ―……。





――……。



『……ハァ……ハァハァハァ……』



「……大丈夫か?」



宙はあたしの顔を覗き込んだ。



あたしたちはもといた体育館につながる廊下にいた。



『もう……大丈夫!』



覗き込む彼の顔を見て笑ってみせた。



「じゃあ気を取り直して楽しむぞ?」



先に行く彼の後ろ姿を見てあたしは迷っていた。