乙女ときどき予知者




人の話も聞かずにどんどん進んでいく。



名前を呼ばれた男の子があたしに向かって歩いて来る。



そして男の子はあたしの前で止まった。



「ずっと好きでした!!付き合ってください」



頭を下げ、手を差し出した。



「OKであれば、手を握ってください!!」



宙以外の告白。



はじめての告白。



なのに……。



嬉しいどころか、彼の顔だけが浮かぶ。



あたしは彼しか愛せないんだ―……。