宙side★



―……バタバタバタ。



足音がどんどん離れていく。



あいつ……。



逃げたな。



分かりやすいやつ。


「何やってんの?」



『逃げられた』



声の主は真士だった。



「は?」



《1Aの柴咲麻理菜さん。至急体育館に来てください。》



突然放送が流れた。



「宙、急がなくて良いのか?」



『えっ……?』



「だって体育館ってことは……あっ、おいっ!!」


そうだ……!



谷野も言ってたじゃねーか。