乙女ときどき予知者




えっ……?



今、なんて―……?



『気づいてたの……?』


宙は照れくさそうに髪をぐしゃぐしゃとかいた。


「当たり前だろ……可愛いよ」



顔を真っ赤に染めた彼にきゅんとした。



「けど、俺は……「あー宙クンみーっけ!!」



―……バシッ。



明るく宙の背後から現れた先輩。



「や、谷野さん!」



そう、谷野先輩。



「いやー相変わらず、かっこいいなぁ!!あっ、もしや例の彼女!?」



宙と話してたと思えば、彼女はいきなりあたしの顔を覗き込んだ。