乙女ときどき予知者




見つからないように隠れた。



そして、あいつらの様子を伺った。



声までは聞こえねーけど、雰囲気で分かる。



あーイライラする……。


俺の彼女だし。



勝手に触ってんじゃねーよ。



嫌がってるんじゃねーか。



一人の男が苛立って彼女を殴ろうと手を振り上げた。



そうはさせねーよ……!


今度は俺があいつを守るって決めたんだ!



―……パシッ。



『なにしてんの?』



男の腕を掴んだ。



ぎゅっと閉じた瞳を開き、彼女は俺を見て声をあげた。