乙女ときどき予知者




廊下に出て周りをキョロキョロ見渡した。



嫌な予感がする。



それに梓の言葉が引っ掛かる……。



心配なんだよ……。



あいつが本当に"ナンパ"されたらどうしようって……。



あいつが他のやつに取られるんじゃないかって……。



年上だからって余裕ぶって誤魔化してるけど……。



いつも不安でたまらない……。



お前が日に日にきれいになっていくから―……。


あっ、見つけた!



壁に寄りかかり、窓から遠くを見つめた彼女を。


それの姿は絵になりそうなぐらいきれいでつい、見とれてしまった。



『まっ……』



声を掛けようとした瞬間、二人の男が麻理菜に近寄った。



まだ彼女は俺に気づいてない。



マジかよ……。



ここまで嫌な予感が的中するなんて……。



本当にナンパされるとは……。



ふざけんな……。