誰が待ってるかなんて聞かなくとも分かる。
嬉しいけど……。
『でもこっちが……』
「どーせみっちゃん捕まるんだから行ってきなよ!麻理もメロメロさせてやるって言ってたし♪」
みっちゃんは谷野のことな。
『そうだな。でもあいつはそんなこと言わねーよ』
「えへへっ♪バレたかぁ」
さすがに鈍い俺でも分かるわ。
「店は任せて!さぁ時間がないんだから早く行きなっ!」
『サンキュー!』
「もしかしてナンパされてるかもね!」
『おいっ!』
「うそうそ。早く行きなっ!可愛くなってること忘れないでよー!!」
『おうっ!』
心を踊らせ、麻理菜が待つ廊下へ急いだ。