乙女ときどき予知者




『進学なのに?』



「一応進学だよ」



「一応、言うなー」



すごいな……。



梓はもう進路に向かって歩いてるんだ……。



『その夢叶うと良いね。すごく合ってると思うよ!』



「ありがとう。そー言ってくれると頑張りがいがあるよ」



梓は照れくさそうにしつつも、優しく微笑んだ。


「はい、できたよん♪」


『わぁー!あたしじゃないみたい!!』



赤くなった目もきれいに元通り。



いや、それ以上?



いつも結ばれた髪もクルクルと緩く巻かれた髪。



人間はこんなに変われるんだ……。



「どう?気に入ってくれた?」



梓がそっとあたしの肩に手を置いた。



『うん!とっても♪』



心から言った気がする。


本当に梓には夢を叶えて欲しいって―……。