「やー麻理もそんなお年頃かぁ♪」
梓は、口の前に手を添えて「ふふっ」と笑った。
そんなって……どんなお年頃!?
「さぁーて始めよっか♪」
そう言うと梓はブレザーを脱いでガサガサ、カバンを漁り出した。
トンッと、机の上にピンクのリボンが付いた、可愛いポーチが置かれた。
そのポーチは見るだけで何が入っているか分かってしまう。
『……誰かメイクするの?』
「ん、するよー」
伸びた前髪をピンで斜めに留められた。
『このピンなに?誰がするの?』
「これ、置いたら分かるかな?」
すると、ポーチの隣に鏡を立てた。
鏡はあたしを映す。
「まだー?」
首を傾げる心奈。
『へっ?』
心奈を上目で見つめた。
「お分かりー?」
ひょっこり梓が顔を覗き込む。

