乙女ときどき予知者




すると、彼女は顔を赤く染め、床を見た。



可愛いな……。



そんなことを思いながら次の言葉を待った。



顔を上げ、「似合ってるよっ!!」と言った。



彼女は恥ずかしそうにまた下を見た。



照れてるのバレバレだし。



『ありがとうございます。では、お席へご案内いたしますね』



「……えっ?」



彼女の手をすっと手に取り、空いてるテーブルへ向かって歩いた。



ただ、無性に触れたかっただけ。




周りの女子は、「いーな!」「あたしも握って欲しい」とか戯れ言を言い出す。




誰がお前らに手なんか握るかよ。



そう思いながらも愛想を振り撒いた。